2026/08/14 19:16
革製品を使っていると、いつの間にか傷がついていることがあります。
バッグの中で何かに擦れていたり、どこかにぶつけてしまっていたり。
気づかないうちに、細かな引っかき傷が増えていることもあります。
ときには、少し水に濡れてシミのようになってしまうことも。
新品のときにはきれいだった革だからこそ、最初は「傷がついちゃったな」と思うかもしれません。
でも、革のこういう変化も、楽しんでもらえたらいいなと思っています。
アトリエサボで使っているイタリアの革には、表面に「スクラッチ加工」が施されています。
これは、革の表面にあえて傷をつけるような加工です。
なので、ツルツルではなく、少しザラザラとした質感があります。
「最初から傷のようなものがあるなら、後からは傷がつきにくいのかな」
そう思われる方もいるかもしれません。
でも、スクラッチ加工があるからといって、後から傷がつかないわけではありません。
むしろ、普通に使っていれば、新しい傷は少しずつ増えていきます。
ただ、この革はオイルを多く含んでいるので、使っているうちに最初の毛羽立ちが少しずつ落ち着いてきます。
そして、そこからだんだんと艶が出てくる。
同じ革なのに、使い始めと数ヶ月後では、ずいぶん印象が変わってきます。
そして、その途中でついた傷もまた、時間とともに少しずつ馴染んでいきます。
もちろん、深い傷などは完全になくなるわけではありません。
でも、最初は目立っていた細かな傷が、革の艶や変化の中に溶け込むように、気にならなくなっていくことがあります。
少し濡れてしまってできたシミも、使っているうちに目立ちにくくなることがあります。
「傷がついた」ではなく「使った跡」。
革製品は、いつまでも新品のような状態を保つものではありません。
使えば使うほど、変化していきます。
擦れたり、濡れたり、色が変わったり。
でも、そのひとつひとつが、その人が使ってきた時間でもあります。
同じ革製品を使っていても、使い方によって傷のつき方も、艶の出方も違います。
だから、同じ革から作った財布でも、何年か経てばひとつとして同じ表情にはなりません。
それが、革の面白いところだと思っています。
新品のときが完成ではなくて、使い始めてから少しずつ変化していく。
傷がついたから終わり、ではなくて、そこからまた時間を重ねていく。
そんなふうに、革と一緒に変化していく時間も楽しんでもらえたら嬉しいです。
「傷をつけないように、大切に使わなきゃ」と気を遣いすぎるよりも、少しくらいの傷も含めて、毎日気軽に使ってもらう。
そして何年か経ったときに、「最初はこんな感じだったな」と、今の状態を見返してみる。
そんなふうに、自分だけの革に育ててもらえたらと思っています。
【在庫補充品】
斜めがけショルダーバッグ
革:ターコイズ
糸:ターコイズ
【今後の出店予定】
■千年未来工藝祭 | 福井
日時:8/29(土)11:00~18:00
8/30(日)10:00~17:00
場所:越前市アイシンスポーツアリーナ
■パンと音楽とアンティーク | 東京
9月19日(土)-20日(日)10:00~18:00
場所:東京オーヴァル京王閣
■デザインフェスタ vol.64 | 東京
日時:11/14(土)・15(日) 10:00~18:00
場所:東京ビッグサイト 西&南館
革や糸の色選び、使い方やお手入れのことなど「これってどうなんだろう?」と思ったことがあれば、気軽に聞いてもらえたら嬉しいです。
