2026/06/15 20:19

以前、大手の鞄会社の創業者の記事を読んだことがあります。
「自分の大切な人に贈り物をするような気持ちで作りなさい」
細かい表現は違うかもしれませんが、その言葉がずっと心に残っています。
オンラインで革小物を販売していると、お客さんの顔を見る機会はほとんどありません。
LINEでご相談をいただいたり、イベントでお会いしたことのある方もいますが、多くの場合はお名前や住所しかわかりません。
どんな暮らしをしているのか。
自分用なのか、誰かへの贈り物なのか。
どんな気持ちで注文してくださったのか。
本当の意味では、その方のことを知ることはできません。
忙しさに追われてくると、パソコンやスマホ画面のその先に人がいるという事を忘れそうになることがあります。
でも制作しながら、ふとその言葉を思い出します。
もしこれが家族や友人への贈り物だったらどうだろう。
そう考えると「これくらいでいいか」という気持ちは自然と消えていきます。

気になる点があれば作り直す。
制作途中でも革の状態が気になれば差し替える。
もちろん、仕事として考えれば効率も大切です。
一人で制作から販売まで行っている以上、限られた時間の中で進めていかなければなりません。
それでも、自分の大切な人に渡すものだと考えたら妥協できないはず。
手間が増えることもありますし、予定より時間がかかることもあります。
でも、そのひと手間を惜しまないことが、ものづくりを続けるうえで大切なことなのではないかと思います。
注文してくださるお客さんのことを、僕は詳しく知りません。
それでも、その方が財布を手に取ったときに少しでも嬉しい気持ちになってほしい。
長く気持ちよく使っていただきたい。
そんなことを考えながら、今日も一針ずつ手を動かしています。
顔が見えないからこそ、贈り物をするような気持ちを忘れずに。
これからもそんな気持ちでものづくりを続けていきたいと思います。

【オーダー品】
めっちゃ入る三つ折り財布
外側:ブラウン × 内側:ターコイズ
糸:ブラウン
ロゴの位置変更
革や糸の色選び、使い方やお手入れのことなど「これってどうなんだろう?」と思ったことがあれば、気軽に聞いてもらえたら嬉しいです。

