2026/04/01 19:57
小学生から中学生くらいの頃、将来は漫画家になりたいと思っていた時期がありました。
でも、いくらやっても絵もストーリーも思うように描けなくて、わりと早い段階で諦めました。
それでも、漫画を読むことだけはずっと好きで、少年漫画も、少女漫画もジャンルに関係なくいろいろ読んできました。
昔は本屋で立ち読みして、気づいたら何時間も経っていた、なんてこともよくありました。
大人になった今は、派手な展開よりも、人の人生や関係性が描かれているような、そんな作品に惹かれる事が多いです。
その中で、読み続けている漫画のひとつ「3月のライオン」。
将棋の世界を描いた作品なんですが、特別将棋が好きなわけではありません。
それでも面白いと思えるのは、この漫画が伝えたいのは勝ち負けだけじゃなくて、人と人との関係や、孤独や、あたたかさだからだと思っています。
主人公の天涯孤独なプロ棋士の少年が、ある家族と出会って少しずつ人間らしさを取り戻していく。
その過程がすごく丁寧に描かれていて、読んでいると、じんわり心に残る場面がたくさんあります。
いい漫画だから、妻や娘にも勧めても「将棋わからない」と言われてしまって読んでもらえません笑
将棋わからなくても全然面白いんだけどなと思いつつ、仕方ないかと思っています。
その中に出てくる、ある一人の人物がいます。
老舗の和菓子屋で、和菓子を作り続けている職人の爺ちゃん。
その爺ちゃんがふと口にしたセリフで、ずっと自分の中に残っているものがあります。
「売る方も買う方も双方が笑顔。それがいい商いだ。」
「どっちか片っぽだけが笑顔ってのは、良くねえ商いだ。そういうやつは続かねえ。」
漫画の中のセリフです。
実在する誰かの言葉ではありません。
それでも、この言葉は、自分の中に深く残りました。
ものを作る仕事をしていると、どうしても「売る」ということからは逃れられません。
でも、売ることだけを考えてしまうと、どこかで無理が出てくる。
逆に、作る側のこだわりだけを押し付けても、それもまた違う気がする。
その中で、この言葉を思い出すと、すごくシンプルなところに立ち返れる気がします。
「自分も納得していて、相手も納得してくれているかどうか」
ただそれだけのことなんだけど、それがちゃんと揃っている状態って意外と難しい。
イベントで直接お話ししながら選んでもらう時間や、オンラインでやり取りしながら悩んで決めていただく時間。
そういう一つ一つのやり取りの中で「あ、いい商いができているのかな」と感じる瞬間があります。
無理におすすめしなくても、納得して選んでもらえて、使うのが楽しみだと言ってもらえる。
そして、自分自身も「これを届けられてよかった」と思える。
きっと、そういう積み重ねが、長く続いていく商いになるんだと思います。
漫画の中の言葉ではあるけれど、ものづくりをしている自分にとっては、これからもずっと大事にしていきたい考え方です。
「売る方も買う方も双方が笑顔。」
シンプルだけど、忘れたくない基準です。
【今後の出店予定】
■あきうクラフトフェア 手ん店
4月12日(土)-13日(日) | 宮城
■土澤アートクラフトフェア
5月3日(日)-4日(月・祝) | 岩手
■デザインフェスタ Vol.63
5月23日(土)-24日(日) | 東京
革や糸の色選び、使い方やお手入れのことなど「これってどうなんだろう?」と思ったことがあれば、気軽に聞いてもらえたら嬉しいです。
