2026/03/25 18:31
ひとことで革と言っても、本当にいろんな種類があります。
コードバン、クロムエクセル、栃木レザー、名前を挙げればきりがないくらい。
そしてそれぞれに、質感も、経年変化も、表情もまったく違う。
だからこそ、使う革によって、同じ形の財布でもまったく別物になります。
これはお客さんにとってもそうだし、作る側にとってもすごく大きな違いです。
今、アトリエサボで使っている革は、イタリアのスクラッチ加工が施されたものです。
最初はザラザラとした質感で、少しマットで落ち着いた印象。
それが使っていくうちに、だんだんと艶が出てきて、手触りもなめらかに変わっていきます。
色も少しずつ深くなっていく。
使うほどに表情が変わっていく、そんな革です。
ただ、ここにたどり着くまで、最初からこの革を選べていたわけではありません。
最初の頃は、どんな革を選べばいいのかすら分かりませんでした。
ホームセンターの革コーナーで、ハギレのセットを買ってみたり。
その場の感覚で「なんとなく良さそう」と思ったものを選んだり。
練習用にと、安い革を買って使ってみたりもしていました。
でも、あまり好きじゃない革で作ると、気持ちが乗らないです。
どこか本気になれない。
そして、そういう革で作ったものは、やっぱり出来上がりもどこか物足りない。
どれだけ丁寧に作っても、最初の素材の印象は後からは変えられないからです。
だからこそ思うのは、素材選びってすごく大事だということ。
ただ、それも結局はやってみないと分からない。
作って、失敗して、また試して。
そういう積み重ねの中で、少しずつ「自分にとっての好み」が見えてくるものだと思います。
自分はもともと、革が大好きでレザークラフトを始めたわけではありません。
だから最初は、革の名前も種類も分からなかった。
「これじゃなきゃ嫌だ」と思えるような革もなかったのですが、なんかしっくりきていない感覚がありました。
なんかちょっと違う。
そんな感覚が、ずっとどこかにあった気がします。
その期間は、振り返ると意外と長かったです。
そして今、ようやく「これいいな」と思える革に出会えた。
もちろん、この先もずっと同じとは限りません。
これから先、好みが変わることもあると思うし、また違う革を使いたくなる日が来るかもしれない。
でも今は、この革で作ることに、ちゃんと意味を感じています。
革を選ぶということは、ただ素材を選ぶだけじゃなくて、自分がどんなものを作りたいのか、どんな変化を楽しんでほしいのか。
そういう部分と向き合うことでもあるのかもしれません。
これからこの革が、どんなふうに育っていくのか。
使ってくださる方にも、その変化を楽しんでもらえたら嬉しいです。
【今後の出店予定】
■パンと音楽とアンティーク
3月28日(土)-29日(日) | 東京
■あきうクラフトフェア 手ん店
4月12日(土)-13日(日) | 宮城
■土澤アートクラフトフェア
5月3日(日)-4日(月・祝) | 岩手
■デザインフェスタ Vol.63
5月23日(土)-24日(日) | 東京
革や糸の色選び、使い方やお手入れのことなど「これってどうなんだろう?」と思ったことがあれば、気軽に聞いてもらえたら嬉しいです。
