2026/03/21 19:41
「老若男女、誰にでも合うものを作りたい」
きっとこれは、ものづくりをしている人なら一度は思うことだと思います。
できるだけ多くの人に使ってもらいたい。
できるだけ多くの人に届いてほしい。
でも、最近はこう思うようになりました。
誰にでも合うものを作ろうとすると、誰にも届かないんじゃないか。
世の中には、すでにたくさんのモノが溢れています。
デザインも、価格も、機能も、選びきれないくらいある。
その中で「誰にでもいいと思ってもらえるもの」を目指すと、どうしても「無難なもの」になっていく。
尖りすぎず、クセもなく、嫌われないように整えられたもの。
でも、それって本当に「欲しい」と思われるものなんだろうか。
少なくとも、自分の場合は違いました。
自分が好きじゃないものを作っても、そこに熱意は乗らない、魂も入らない。
どこかで「まあ、こんなもんか」っていう感覚が残る。
たぶんそれは、使う人にも伝わると思っています。
だから、革も一種類しか使っていません。
色も、自分がいいと思ったものしか選んでいません。
選択肢を増やせば、もっと多くの人に合うかもしれない。
でもその分、自分の中の「軸」は確実にぼやけていく。
それなら、最初から決めてしまった方がいい。
自分はこれがいいと思う。だからこれを作る。
もちろん、それで全員に届くなんて思っていません。
むしろ逆で、届かない人の方が多いと思います。
でも、それでいい。
というより、それがいい。
もし、道ですれ違う人がみんな同じ服、同じ鞄、同じ靴だったら、ちょっと気持ち悪いなと思います。
それがどれだけ完成度の高いものだったとしても。
モノって、本来はもっと個人的なものだと思うから。
誰かにとっては全く刺さらないけど、別の誰かにとってはどうしても手に取りたくなる。
そんな存在の方が、よっぽど自然だし、面白い。
「誰のために作るのか」を決めるというのは、それと同時に「誰には届かないか」を受け入れることでもあります。
それは少し怖いことです。
でも、その覚悟がないと、結局どこにも届かないものになってしまう気がしています。
全員に好かれるものじゃなくていい。
その代わりに、ちゃんと好きになってくれる人に届くものを作りたい。
自分は、そういうものづくりをしていきたいと思っています。
【今後の出店予定】
■パンと音楽とアンティーク
3月28日(土)-29日(日) | 東京
■あきうクラフトフェア 手ん店
4月12日(土)-13日(日) | 宮城
■土澤アートクラフトフェア
5月3日(日)-4日(月・祝) | 岩手
革や糸の色選び、使い方やお手入れのことなど「これってどうなんだろう?」と思ったことがあれば、気軽に聞いてもらえたら嬉しいです。

