2026/03/02 18:12

以前、マーケティングの本か何かで読んだ話があります。
ある大手の飲料会社のビールがなかなか売上が伸びずに悩んでいたそうです。
そこで専門家に相談したところ「製造設備をどれだけ清潔に保って作られているかをちゃんと伝える」という提案があったそうです。
社内では反対の声が上がったといいます。
「そんなのは業界では当たり前だ」
「どこの会社でもやっていることだ」
わざわざ言うことじゃない、と。
でも実際にその「当たり前」をきちんと打ち出してみたところ、売上は伸びたそうです。
業界では「当たり前」のことでも、お客さんにとっては「当たり前」じゃなかった。
その話を思い出して、最近ちょっと考えています。
自分の仕事でいうと、革にはシワや傷があるということ。
経年変化するということ。
濡れたらシミになるということ。
手縫いで仕立てていること。
どれも、自分にとっては本当に当たり前のことです。
革は個体差がありますし、使うほどに変化します。
シミになる可能性だってあるし、カビが生えるかもしれません。
でも、それってお客さんにとって当たり前なのかなと。
革の経年変化って実際どんなふうに変わるのか。
手縫いって何がどう違うのか。
もしかしたら、そこまで具体的には知らない方も多いのかもしれません。
「それは革なら当然です」と思っているだけでは何も伝わらない。
ちゃんと言葉にしていないことは、存在していないのと同じなのかもしれません。
派手な売り方はあまり得意ではありません。
煽るような言い方もできる限りしたくない。
でも当たり前のことを、ちゃんと当たり前に伝えることはできるはず。
経年変化を楽しめる革であること。
シワや傷があるのは動物が生きていた証だということ。
きっと誰かにとっては大事なこと。
だから、同じことでも何度でもしつこく伝えていく事も必要なのかもしれません。
業界の当たり前は、お客さんの当たり前ではない。
そのことを忘れずに今日もひとつひとつ作っています。
【今後の出店予定】
■パンと音楽とアンティーク
3月28日(土)-29日(日) | 東京
■あきうクラフトフェア 手ん店
4月12日(土)-13日(日) | 東京
■デザインフェスタ Vol.63
5月23日(土)-24日(日) | 東京
革や糸の色選び、使い方やお手入れのことなど「これってどうなんだろう?」と思ったことがあれば、気軽に聞いてもらえたら嬉しいです。
