2026/02/24 19:12
最近「どこまでこの革を使っていいのか」という感覚の部分が、以前よりも少しシビアになってきたなと、自分で感じています。

革は自然素材です。
工業製品のように、100パーセント同じものは存在しません。
色も、硬さも、柔らかさも、質感も、一枚一枚すべて違います。
シワや小さな傷、血筋、時にはほくろのような点が入っていることもあります。
以前、一度だけ「これ何ですか?」と聞かれたことがありました。
端のほうに小さな点があったときのことです。
不良品だと言われたわけではありません。
ただその一言で、オンライン販売が中心の自分にとって「どこまで理解してもらえているのだろう」という気持ちが少し強くなりました。
革製品に慣れている方なら「それも味ですよね」と受け取ってくださるかもしれません。
でも人によっては「不良品?」と思われるかもしれない。
その想像をすると、作っていて少し不安になることがあります。
だからこそ最近は、以前よりも革の取り方に気を使うようになりました。
シワが多い部分は避けたほうがいいのか。
個性として活かせる範囲はどこまでなのか。
考えれば考えるほど、正解は一つではないと感じます。
もちろん、あまりに避けすぎればロスになります。
端切れになってしまう部分も増えます。
自然素材を扱っているのに、その自然が持っている表情を切り捨ててしまうことへの葛藤もあります。
経年変化も同じです。
色や質感は、使い方次第でまったく違う変化をしていきます。
誰一人として同じエイジングにはなりません。
それこそが革の魅力だと思って、この仕事をしています。
けれど、その変化をどこまでイメージしてもらえているのか。
オンラインという画面越しのやり取りの中で、どこまで伝えられているのか。
ひとつひとつの個体差も革製品の醍醐味のひとつだと感じていただけたら嬉しいです。
均一ではないこと。
同じにならないこと。
そこに魅力を感じているからこそ、革製品を作り続けています。
完璧に揃った工業製品ではなく、少しずつ違う表情を持ったものを届けるということ。
その価値を、少しでも感じてもらえたら嬉しいです。
シビアになってきたのは、きっとお客さんの顔をより具体的に想像するようになったからだと思います。
だからこその葛藤であり、一生の課題なのかもしれません。
革や糸の色選び、使い方やお手入れのことなど「これってどうなんだろう?」と思ったことがあれば、気軽に聞いてもらえたら嬉しいです。
