2026/01/09 17:33
自分はどこかの工房で修行したとか、誰かに弟子入りしたとか、そういう経歴はなくて基本は独学です。

レザークラフトをしている人の大半は、独学だとも思います。
とはいえ、誰にも教わらなかったかというと、そんなことはなくて。
わからないことがあれば人に聞くし、助けてもらってきました。
その中でも特に色々と教えてもらった人が一人いて、おすすめの道具を聞いたり、この処理はどうしたらいいのかを聞いたり。
今思うと、結構な質問攻めだったと思います。
ちょっとしたメンターというか、師匠というか、そんな存在の人。
でもその人とは一度も会ったことがありません。
同じ福島県会津の出身で、元デザイナーという自分の経歴とも近い、2歳年下の妻の同級生。
妻が同窓会でその人と再会した際に「レザークラフトをやっている」という話から、自分の話も出たらしくそれがきっかけでやり取りをするようになりました。
ちなみにその人の奥さんは、名前の知られた漫画家さんだったりもするんですが、個人情報なのでその話は置いておきます。
その人は技術的にもすごくレベルが高くて、委託や卸しで少し販売したことはあるみたいなんですが、ネット販売はほとんどしていませんでした。
それを見て「もったいないな」と勝手に思っていました。
何度か「なんで販売しないんですか?」みたいな話をしたこともあります。
でも、あくまで趣味でやっているので、無理に売るという考えもない。
前に、久しぶりに連絡を取ったとき、やり取りの中でその人がこんなことを言っていました。
「革製品に対する熱がなくなってしまった」
どれだけ技術があっても、本人が飽きてしまったら無理に続ける理由もない。
そのとき、才能と興味は必ずしもイコールじゃないんだなと感じました。
周りから見たら「才能があるのにもったいない」とか「続けたほうがいいのに」とかいろいろ言いたくなるのかもしれないけど、本人にしてみれば「そんなの余計なお世話だよ」という話です。
言う側はその後の責任を取るわけでもないし、生活や時間を背負ってくれるわけでもない。
そんな無責任な言葉に、惑わされていられるほど、みんな暇でもない。
本人がもっと大事にしていることが他にあるなら、革を続けなくてもいいし、ましてや強制されてやることでもない。
価値観は人それぞれ。
会ったことのない師匠の言葉から、そんな当たり前だけどつい忘れがちなことを改めて思ったという、ただそれだけの事。


