2025/12/27 17:49
革小物の制作で、「金型で形を抜く」という工程があります。
ただ、これだけ聞いても、あまりイメージが湧かない方もいるかもしれません。
わかりやすく言うと、お菓子作りで使うクッキー型のようなものです。
星やハートの形に生地を抜く、あの感覚に近く、革用の金型は縁の部分が刃物の状態になっています。
それをハンドプレスで上から押すことで、革を同じ形にきれいに抜くことができます。
今ではほとんどのパーツを金型で抜いていますが、独立前はこうした道具を使っていませんでした。
当時はリビングやダイニングで制作をしていたこともあり、ハンドプレスや金型を置くスペースがなく、パーツはすべて一つひとつ手で切っていました。
独立する際、相談に行った革職人のご夫婦がいます。
とてもよくしていただいて、道具のことや制作のこと、仕事の進め方まで、いろいろと教えてもらいました。
そのときにハンドプレスの使い方も見せてもらい、最終的に導入したハンドプレスは、そのご夫婦が使っていたものと、まったく同じものです。
「手作り」と聞くとすべてを手作業でやることが正解、と思われることもあります。
でも実際に続けていく中で、効率もとても大事な要素だと感じるようになりました。
早くできる部分は、きちんと早くする。
その分仕立てや仕上げなど、時間をかけたい工程にしっかり時間を使う。
金型やハンドプレスは、そのための道具です。
独立してから、物置として使っていた場所を工房にしました。
作業スペースが少し広くなったことで、金型やハンドプレスを置けるようになり、制作の流れも自然と変わっていきました。
いくら手作りの仕事をしていると言っても、無理のない形で続けていくことも大切だと思っています。
実際に使ってみて「これは取り入れてよかったな」と思えるものを、少しずつ増やしていく。
そんなふうにしながら、今も日々、革と向き合っています。


