2025/12/26 17:39
先日、LINEでこんなご相談をいただきました。
お母さんから息子さんへのプレゼントとして財布を探している、という内容です。

「イエローとブラウンの革に、ブラウンの糸を考えているんですが、作っている方から見て、この色合いってどう思いますか?」
作り手の立場から見ても、色数は多すぎず全体としてまとまりのある組み合わせだと感じました。
そのため「色数も多すぎないですし、良いと思いますよ」とお答えしました。
ただ同時に「僕は息子さんご本人を知らないので、その方がその色合いを“好き”かどうかは、正直わからない部分もあります」ともお伝えしました。
すると、お母さんから、少し詳しいお話を聞かせてもらいました。
息子さんが幼い頃、友達から「くまのプーさんに似てる」と言われたことがあったそうです。
どうやら本人もそれが嫌ではなかったようで、それ以来、自然とプーさんを思わせるような色の持ち物が増えていった、とのことでした。
その背景があって、イエローとブラウンの組み合わせを選ばれたそうです。
その話を聞いて見え方が少し変わりました。
これまでは、色の組み合わせとしてどうか、デザインとしてまとまっているか、そういった点を中心に見ていたんだなと。
でも今回のやり取りを通して、革製品そのものだけでなく、その背景ごと考える時間なんだなと改めて感じました。
家族や恋人、友人。
その人たちにしか知りえない時間や思い出があって、それを形にしようとしている。
そうした話を聞かせてもらえるのも、この仕事ならではのことだと思います。
ものを作っているだけでは出会えなかった、どこかほっこりする話を聞けて「やっててよかったな」と思える、そんな時間でもありました。


