2025/12/25 13:47
レザークラフトを始めたばかりの頃、どんな革を選べばいいのかも全然わかりませんでした。
革の知識も全くなくて、ホームセンターの革製品コーナーに並んでいるものを、よくわからないまま、なんとなく手に取って使い始めたのが最初です。
そこからしばらくして「栃木レザー」を長い間使っていました。
別に悪い革だとは思っていません。むしろ、とても良い革だと思います。
ただ、使い続ける中で「なんか、しっくりこないな」「嫌いじゃないけど、好きとも言い切れないな」そんな言葉にしづらいモヤモヤがずっとありました。
完全に自分の好みの問題です。
そんな時に出会ったのが、今使用しているイタリアンレザーです。

最初に触ったときは、表面がザラザラしていて少し不思議な印象でした。
この革はいわゆる「スクラッチレザー」と呼ばれる仕上げで、新品の状態では、少しマットでざらっとした質感があります。
でも使っていくうちに、そのザラザラはだんだん落ち着いてきて、手で触るところから少しずつツヤが出てきます。
この革はオイルをしっかり含んでいるので、使うほどに色が深くなって、表情が変わっていきます。
経年変化によって、最初とはまったく別の雰囲気に育っていく革です。

財布のように毎日よく触るものだと、1年も使えば質感も色味もかなり違いがはっきり出てきます。
個人的には、実は「最初の状態」がすごく好きです。
少しマットで、まだ完成しきっていない感じも含めて。
イベントなどの対面販売では、経年変化したサンプルを実際に見てもらいながら「これくらい変わりますよ」と、必ず直接お話ししています。
その場で「こんなに変わるんですね」と驚いたり、「それも含めていいですね」と言ってくださる方も多いです。
一方で、オンライン販売の場合は、どうしても文章と写真だけでのご案内になります。
商品ページには経年変化についての説明も書いていますが、正直なところ「ちゃんと伝わっているかな」「読んだ上で選んでもらえているかな」と少し心配になることがあります。

特に、「この最初の色がすごく好き」「推しの色だから」そんな理由で選んでくださる方もいらっしゃると思います。
うちで使っているイタリアンレザーは、すべてではありませんが、発色の良い色が多く、ターコイズやイエローなどの明るい色ほど、使い込んだときの変化の幅が大きいです。
対面販売のときは、そのあたりも含めて必ずお伝えしていますが、オンラインではそこを直接説明できない場面もあります。
ただアトリエサボでは、LINEでのご相談も受け付けています。
「この色、どれくらい変わりますか?」「最初の色が好きなんですが大丈夫ですか?」そんな質問をいただければ、実際の経年変化サンプルの話や、使い方の違いなども含めて、できる限り正直にお答えしています。
対面ほどではないかもしれませんが、オンラインでも、なるべく同じ温度感で、ちゃんと伝えたいと思っています。
だからこそ、ここで改めて書いておきたいと思いました。
この革は「今の色をずっと保つ革」ではありません。
使う人の時間や手のクセによって、少しずつ色が深くなり、ツヤが出て、表情が変わっていく革です。
最初の色が好きな方にも、その変化を含めて楽しんでもらえたら嬉しい。
良い・悪いではなく、最初の姿も変わっていく過程もどちらも含めて楽しむ。
そんな前提で、このイタリアンレザーを選んでもらえたら、作り手として、とても嬉しく思います。


