2025/12/23 15:51
少し前に財布を購入していただいた方から「匂いが手に残る」というご連絡をいただきました。
そのときお客様から「匂いをなくすには、風通しのいい日陰などに置いておけばいいでしょうか?」と聞かれました。
正直に言うと自分が思いついたのも、まずはそのくらいでした。
なので「それがいいと思います」とお伝えしつつ、もしかして自分が知らないだけで他にも方法がある?と思って、念のため革屋さんにも確認してからあらためてご連絡しますというやり取りになりました。
ウチで使用している革はオイルを多く含んだイタリアンレザーです。
新品のうちは、革そのものの香りが少し強く感じられることがあります。
人工的な香料ではなく、革と仕上げによる、いわば素材そのものの匂いです。
ただ正直に言うと自分自身はその匂いをほとんど意識していませんでした。
今の革を使い始めた頃は「確かに独特な香りがするな」と感じていた記憶があります。
でも毎日触って、作っているうちに、いつの間にかわからなくなりました。
革屋さんに確認したところ、やはり特別な方法があるわけではなく、使いながら少しずつ馴染ませていくというのが自然な答えのようです。

その件をお客様にお伝えしたところ「まだ風通ししてませんが、使い始めに比べるとあまり気にならなくなりました。」との事。
この言葉を読んで、まずはホッとしました。
同時に「使ってもらって初めてわかることがあるな」とあらためて感じました。
匂いに対する感じ方も本当に人それぞれだと思います。
香水や柔軟剤の強い香りがどうしても苦手という方もいますし、体調や体質によって敏感になることもあります。
革の匂いも好き嫌いとは別に、そうした差が出やすい部分なのだと思います。
革は、制作前の状態では日焼けしないようクラフト紙に包んで保管しています。
完成後はお客様にお届けするまで箱に入れた状態で保管しています。
できるだけ経年変化が進みにくいようにという考えからです。
ただ今回のやりとりを通して、匂いの感じ方については人によって受け取り方が違うということも学びました。
革の匂いも色や手触りと同じで、使いながら少しずつ馴染んでいくものです。
それでも、最初の印象がすべての方にとって心地いいとは限らない。
作り手として、そこも含めて考え続けていきたいと思っています。


